メリハリとバランスを重視した賃金制度の再構築

1経営における賃金制度の位置付け

我々「人事労務エキスパート」では、賃金制度をあくまでも人事評価制度をバックアップするための一つのツールとして捉えています。そのため、コンサルティングの有用性と言う意味では賃金制度の再構築単体にはさほどのウェイトを置いてはいません。

 

しかしながら、経営資源の潤沢でない中小企業にとって、人件費はコストの中でも非常に大きなウェイトを占めるものです。となれば、従来のようなどんぶり勘定でなく、一定の法則性を持たせた制度を構築することが経営者にとって必要であるだけでなく社員の納得度を高める意味でも重要だと考えます。

2「人事労務エキスパート」が提案する賃金制度

我々の考える賃金制度構築のスタンスは、あくまでも会社の経営方針やビジネスモデル、組織風土に合わせてさじ加減を変えていく、いわばオーダーメイドの制度です。経営者の志向に合わせて、賃金テーブルを時に緩急をつけ時に年齢給の要素も取り入れながら、我々の提案と経営者の考えの重なる部分を見つけ出し、更には社員のキャリア形成にも寄与できる様な、三者が納得する制度の構築を目指していきます。

 

人事制度・賃金制度の方法論においては、何が正解で何が間違いというのはありません。我々は数々の実例や経験を基に、一つの理論にこだわらず、引き出しを多く持ち、最終的にはそれぞれの良いところを取り入れ、各方面からのセミナー、書籍など社会情勢やトレンドも加味しながら、オンリーワンの制度を作り上げています。

 

例えば、現在多くの事例においては

 

1、若年層-能力や職責を基準にし年齢給を若干取り入れた賃金テーブル

2、中高年層-ベースとなる能力給の部分に役割・成果給を上乗せする

 

の二点が共通することが多くありますが、場合によっては敢えて逆を取ることもあり、我々はあくまでも持論を押し付けるということは無く、企業の状態によって制度の構築方法を柔軟に変化させていきます。

 

その他、現在多く見られる傾向としては、殆どの中小企業において、部長や課長、係長などと言った会社の中での役職・役割の「昇進」と賃金テーブルにおける「昇給・昇格」をごちゃ混ぜに捉えている企業が多いということもあげられます。

  

我々は、あくまでも賃金制度によって「社員・組織・会社が成長する」という本来の目的を見失わず、尚且つ実態に合わなくなっている手当や給与と能力のアンバランスを解消し、整理整頓することによってコストカットを図ります。

3賃金制度の構築 ~基本給~

基本賃金の設計に関して、賃金テーブルの一例として先の2でも述べたような、大きく二つの法則性に基づいた構築方法を取り上げます。

下の図の⑵にあるような昇給をイメージいただくと理解し易いかもしれません。

 

1、40歳まで少しずつ上がっていく一般職に対する職責給

2、30歳代後半から上乗せされる管理職に対する役割・成果給

 

2は従来の賞与に対する考え方に基づく方法です。

2を100%適用し、完全な年俸制を取り入れる企業もありますが、この制度のポイントは1のように全社員に支給される給与と、2のように毎年額が入れ替わるような成果が大きく反映されるメリハリのある給与を併用することです。

 

これらを併用することによって「頑張って成果を出した分は報われる」ことを強く意識づけ、一方では職責給の比率をある程度確保することで中々成果が出ない社員にも安心感を与えることができます。

4賃金制度の構築 ~諸手当~

賃金制度の中心があくまで基本給であることは間違いありませんが、2でも述べたように中小企業においては、基本給での昇給・昇格に様々な要素が入り混じってしまい、結果として諸手当の意味合いが不明確になっている企業が少なくありません。

 

そこで我々は、手当はあくまでも長期的な視点でなく、毎年動きがある部分にのみ付与することで基本給の概念や昇給・昇格の基準を明確にしていきます。

  

近年は諸手当をすべて廃止して基本給に一本化するという企業もありますが、以上のような理由から、我々はあくまでも基本給で賄えない部分は手当を残すように提案をしています。

5賞与制度改定

具体的な賃金制度改革を始めると、殆どのケースで賞与や退職金も制度変更になります。賞与というのは、会社にとって一番自由が利く賃金です。よって、人事評価を賃金に反映する時は、最初は賞与の金額にのみ反映することが多く、また月額賃金の再設計の際に賞与原資を一部取り入れることもあります。

 

また、我々は賃金制度の基本給に関するデータが揃うと、最後にプロットを作成して社員間のバランスを俯瞰して見ていきますが、その時に起こりがちなのが、どうしても経営者の意向に沿わない(この社員にはもっと給料をあげたいという)社員が出てくることです。

 

そんな経験則を基に、我々は賞与については完全な自由設計とし、経営者の意向を最大限に組み入れたポイント制賞与制度の構築を提案します。

 

具体的なポイントは以下の3つです。

 

1、基本給とは非連動型にすること

2、再現性を持たせ、公平感を出すために必ず評価基準を書面化すること

3、評価は年間で見ること(決算賞与を基本ベースにすること)

 

3について、実際に決算賞与のみにするには、就業規則の改訂などの問題が絡んでくるので、評価期間のみを1年単位で運用し、支払いは特定月に振り分けることが殆どですが、それらもヒアリングの中で最適な方法を見つけ出していきます。

その他退職金制度に関しても、法的な裏付けに基づいた様々な提案をしていきますのでまずはお問い合わせいただきたいと思います。

 

繰り返しになりますが、我々は賃金制度を組織改革の最重要事項だとは捉えていません。ヒトは権利義務を明確にすると往々にして自我に走ります。そして、一定の社員の働きに不満を持つ経営者が評価基準を作り、測定して、給料に差をつけたがります。

 

言うまでもなく、多くの社員にとって給料は高いに越したことはありませんが、現代の社会において多くの社員が心から求めているのは、本当に安心して働き続けることができる職場だということを肝に銘じて問題解決に臨みましょう。